インプラント症例実績3,000本以上の院長が解説!|インプラント治療の流れについて
インプラント治療は、歯を失った方にとって、しっかりと噛み合わせができ、自然な見た目を取り戻せる素晴らしい選択肢です。しかし、インプラント治療の流れや具体的なステップがわからないという方も多いのではないでしょうか。
このコラムでは、インプラント治療の全体の流れについて、カウンセリングから治療後のメンテナンスまでの各ステップを分かりやすく解説いたします。インプラント治療を検討されている方や興味をお持ちの方の参考になれば幸いです。
▼インプラント治療の流れを解説(2回法)
インプラント治療では手術を1回で済ませる1回法と手術を2回に分ける2回法があります。1回法は、インプラントを行うところの骨の条件が良い場合に行われ、場合によっては、手術のその日にプロビジョナルレストレーション(仮の歯)まで装着する事があります。2回法は、骨の造成をインプラントと一緒に行ったり、骨が柔らかく固定が取れないなど、条件が悪い場合に、1回目の手術後インプラントを安静にしておくために用います。2回法の方が、治療期間が長くなりますので、今回は2回法の治療の流れを解説します。
STEP1:カウンセリング
インプラント治療は、まずカウンセリングから始まります。患者さんが困っておられる事やどのような状態を取り戻したいのか、社会的背景は何かなど、患者さんに合わせた治療を提供できるようお話を聞かせていただきます。また歯科医院の治療に対する基本姿勢などを説明させていただきます。これらのカウンセリングを通じて、患者さんの治療に対する希望や期待を明確にし、歯科医院との信頼関係を行います。
STEP2:精密検査と診断
カウンセリングの次に、精密な検査が行われます。まず口腔内のむし歯、歯周病、欠損状態をチェックし、その後口腔内のレントゲン撮影やCTスキャンを使用して、顎の骨の状態や厚みを確認します。インプラントを行う前には、シミュレーションを行い、インプラントを埋め込むのに適した場所を判断します。また全身状態に関する状況もチェックします。資料をもとにしっかりとした診断を行います。
STEP3:治療計画の立案
診断結果に基づき、個別の治療計画を立てます。患者さんそれぞれの口腔内の状態に合わせ、インプラントの数や種類、手術のタイミングを決定します。大抵の場合、インプラントの前に歯周病の治療等の炎症を抑える処置を行います。この段階で、治療の全体像や期間、費用についても詳しく説明し、患者さんに納得していただいたうえで次のステップに進みます。
STEP4:インプラント埋入手術(1次手術)
インプラント治療の1次手術では、顎の骨にインプラント体を埋め込みます。局所麻酔を使用するため、痛みは最小限に抑えられます。患者さんの要望によっては、静脈内鎮静法と言って、手術祭中にあまり緊張しないようにする事ができます(場合によっては、静脈内鎮静法の時間は、寝ています)埋入後は、骨とインプラントがしっかりと結合するまでの治癒期間が必要です。
STEP5:治癒期間
インプラントと顎の骨がしっかりと結合するための治癒期間は、患者さんの骨の状態や健康状態によって異なります。通常、この治癒期間は2か月〜6ヶ月かかりますが、この間は前歯であれば、仮の歯を使用して日常生活を送ることが可能です(1回法であれば、0〜2ヶ月後です)。この期間中に定期的なチェックを行い、順調に結合が進んでいるか確認します。
STEP6:アバットメントの装着(2次手術)
インプラントが完全に骨と結合した後、アバットメントと呼ばれる部品を装着します。これは、インプラントと人工の歯を結びつける役割を果たします。この手術は極めて簡単で、局所麻酔下で行われ、患者さんにとって大きな負担はほぼありません。
STEP7:上部構造(人工歯)の装着
アバットメントの上に、上部構造である人工の歯を装着します。上部構造の作製にあたっては、印象採得(型を取る)を行います。最近、印象採得は光学印象といってコンピューターを利用し、スキャンして作製します。上部構造(人工歯)は、患者さんの噛み合わせや自然な見た目を考慮して作成され、違和感なく使用できるように調整されます。この段階で、噛み合わせの調整も行い、快適に食事や会話ができるように仕上げます。
STEP8:メンテナンス
インプラント治療が完了した後も、定期的なメンテナンスが非常に重要です。インプラントは天然の歯と異なり、むし歯になることはありませんが、インプラント周囲炎(歯周病)にかかる可能性はあります。周囲の歯茎や骨の健康状態を保つためには、定期的な歯科検診が必要です。メンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎というトラブルが発生するリスクが高まりますので、1〜4か月ごとのメンテナンスを推奨します。
▼ケースによってインプラント治療の流れは変わる?
上記のステップはあくまで標準的なケースを想定した流れとなっています。実際のインプラント治療は、患者さんの口腔内の状況や治療法によって大きく変わることもあるため、その点はご了承ください。当院では、抜歯即時埋入や、抜歯時の骨吸収を最小限に抑えるルートメンブレンテクニック、手術への恐怖心や不安感を解消するための静脈内鎮静法など、先進の治療法にも対応しています。そのため、インプラントの治療の流れもケースに応じて柔軟に対応することが可能です。インプラント治療に関心のある方や、より詳細な情報が必要な方は、いつでもお気軽にご相談ください。
▼まとめ
今回は、インプラント治療の流れについて、インプラントの専門医が監修しました。インプラント治療は、しっかりとしたカウンセリングと検査から始まり、埋入手術、治癒期間、アバットメント装着、そして人工歯の装着という流れを経て行われます。また、治療後のメンテナンスを欠かさないことで、インプラントの長期的な成功が期待できます。噛み合わせが気になる方や失った歯をしっかりと取り戻したい方は、ぜひご相談ください。当医院ではインプラントの流れや詳細について、丁寧にサポートいたします。