学会指導医が解説|インプラント治療が及ぼす体への影響について
皆さん、こんにちは。熊本市西区の慶歯科医院です。今回は、インプラント治療が体に及ぼす影響についてご紹介します。
失った歯を補うためにインプラント治療を検討している患者さんにとって、インプラントが体にどのような影響を与えるのかは非常に重要なポイントです。
インプラント治療は噛み合わせの改善に大きく貢献するだけでなく、生活の質を向上させるさまざまなメリットがあります。
しかし、手術に伴うリスクや体への負担も知っておく必要があります。
このコラムでは、インプラント治療の体に対する良い影響とリスクについて、詳細に解説いたします。
▼インプラントによる体への影響
失った歯をインプラントで補うと、次に挙げるような影響が体に及びます。
【影響1】咀嚼機能が改善される
インプラント治療は、失った歯を補うことにより噛み合わせを回復させます。これにより、食事の際に食べ物をしっかりと噛むことができ、胃腸への負担を軽減します。しっかり噛めることで消化も改善され、体全体の健康に寄与します。
【影響2】顎の骨の健康を維持しやすくなる
歯が抜けた後、義歯を装着すると、顎の骨が次第に減少します。インプラントは人工の歯根を顎に固定するため、顎骨の吸収を防ぎます。これにより、顔の輪郭が維持され、若々しい外見を保つことができます。
【影響3】発音・滑舌が向上する
インプラント治療により、口腔内の安定性が向上するため、発音が明瞭になります。特に前歯を失った場合、義歯での回復では発音に大きな影響を与えることが多いですが、インプラントで補うことで正常な発音が回復します。
【影響4】全身の健康状態の改善
インプラント治療により、食事が快適にできるようになることで、栄養摂取が改善されます。健康的な食事が可能になると、全身の健康状態が向上し、特に高齢者の患者さんにとっては、免疫力の向上や体力の維持にもつながります。特に入れ歯ではあまり噛めなかった方がインプラントされると実感されます。
【影響5】自信と生活の質の向上
インプラントにより、見た目が自然でしっかりした歯を取り戻すことで、自信がつきます。笑顔に自信を持てるようになることで、社会的な活動や人とのコミュニケーションにも前向きになり、生活の質が向上します。
【影響6】精神的なストレスが減る
入れ歯だとどうしても取り外しの必要が必要です。そのため、外食中に入れ歯に物が挟まったり、痛くなった場合に入れ歯を外せず困った経験をされたとの患者様の声を聞くことがあります。またどうしても入れ歯だと発音が上手く行かなかったり、安定剤を使用する必要が生じたりします。
入れ歯と比較して、インプラントは固定されているため、ずれる心配がなく、口腔内での違和感も少なくなります。これにより、会話や食事中のストレスが軽減され、日常生活がより快適になります。見た目の良さに関してもインプラントは精神的ストレスを減少させる効果が期待できることでしょう。
▼インプラント手術による体へのリスク
ここまでは、インプラント治療を受けた後の体への影響を解説してきましたが、人工歯根を埋め込む手術の際の体への影響も気になるかと思います。そこでインプラント手術に伴う体へのリスクも説明させていただきます。
◎手術後の感染リスク
インプラント手術は外科的な処置を伴うため、手術後に感染するリスクがあります。そのため、術前にしっかりとお口の状態を良くしておく必要があります。当院では歯周病のケアを優先させ、感染のリスクを減らしてから手術を行っています。また免疫力が低下している患者さんや糖尿病を患っている方は、感染症のリスクが高くなるため、術前に全身状態をある程度改善させてから手術を行います。
◎神経損傷のリスク
この問題は主に下の骨が痩せている患者様に注意が必要です。長い間、入れ歯を入れておられると顎の骨は痩せていき、下の顎だと、骨が痩せることでインプラントを入れるに必要な神経までの距離が短くなります。このように顎の骨が痩せてる場合、インプラント手術で、下顎の神経にダメージが与える事があり、その場合、術後に一時的または永続的な麻痺や痺れを引き起こす可能性があります。そのため、事前の精密な診断が必要です。当院では、このような事が起こらないように、CT等を用いて、術前に念入りな計画を立てて行っていますので安心して手術を受けてください。
◎骨質の状態でインプラントが定着しないリスク
顎の骨の状態によっては、インプラントが固定できないことが稀にあります。この場合、様々なテクニック(骨移植や骨の緻密化等)を用いて手術を行うことで成功に導きます。ただ一度の手術で固定が上手くいかない場合でももう一度インプラントやり直しを行ったりして、最終的には成功に導いていきます。
◎インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)のリスク
インプラントは虫歯には罹りませんが、インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)に罹る可能性はあります。特に重度の歯周病にかかっておられる患者様では要注意です。重度の歯周病でもしっかり歯周病を治し、ホームケアが上手く行って、定期的なクリーニングをされている場合はかなりこのリスクはかなり抑えられます。
▼当院の精密なインプラント治療について
当院では、日本口腔インプラント学会指導医・専門医がインプラント治療を担当し、患者さん一人ひとりに適した治療を提供しています。また、希望によっては日本歯科麻酔学会認定医による鎮静法を用い、リラックスした状態でインプラント手術を行う事で患者さんの心身への負担を最小限に抑えています。さらに、衛生管理が徹底された専用オペ室で手術を行うことで、感染リスクを極力抑え、安全で効果的なインプラント治療を実現しています。インプラントが体に与える影響を考慮し、安心して治療を受けていただける環境を整えております。
▼まとめ
今回は、インプラント治療が及ぼす体への影響について、熊本市西区の慶歯科医院が解説しました。インプラント治療は、失った歯を補うことで噛み合わせや全身の健康状態を改善し、生活の質を向上させる非常に有効な治療法です。一方で、手術には感染リスクや神経損傷などのリスクが伴いますので、治療を検討する際には事前の診察と十分な説明が重要です。患者さん一人ひとりに合った治療を提供するために、信頼できる歯科医師と相談し、納得した上で治療を進めましょう。